一万はきついぜ。

そろそろ寒くなってくるころなので、服とか買いにいこうと思って、財布をみて見ると5000円入ってました。これじゃたりないと思って1万円札を持ってきて、財布にはいれずにジーンズのポケットにいれました。財布開くのが面倒だったんだ。
服が売ってるお店を探して入って、いいものはないかと探しました。正直いいものを選ぶ余裕なんてありませんでした。いつ店員さんに声をかけられてしまうのかとおびえていました。
結局怖くなったので店から出てきて、うちに帰りました。あー、何も買えなかったな。たくさん歩いて足も疲れたので、ベッドに寝そべります。するとうしろのポケットに入った財布が急に邪魔に感じて、寝そべったままだらだらと財布をとり、ポケットに入れた一万円札も思い出したので、それもとってしまおうと手探りで探します。一万円札を取り出したいけど、この寝そべったときの気持ちよさから離れたくない。ああ、ポケットに手いれにくいぜ。これじゃ見つかってもくしゃくしゃだよ。
もぞもぞがんばってみるものの、なかなか見つからない。でもここまできたらどうしても取りたい。しぶしぶ起き上がってポケットに手を入れてみる。ん…? ほんとにみつからないなあ。あ・・っれえ・・・? 次第に膨らむ嫌な予想は、ますますその確信を深めていきました。


1マンエンサツガナイ・・・。


記憶をひたすら呼び覚ます。いつだ。無くしたのはいつだ。いつまでここに入っていたんだ。でもそんな記憶は少しもなくて、あるのはただひとつ、1万円札をポケットに入れてから、家に帰ってくるまで、一度もポケットを確認していない、という事実のみ。
ああ、一万円札。僕の一万円札。一万・・・い・・い・・・いぃいいいいイィイイイィイイィィィィイURYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!!!!!


帰ってきてくれ、とは言わないよ。ただ少し、君をまた眺めていたくて。。。