キーはキー。

歌が下手なのはまあ仕方ないんだけど、よく知ってる曲の歌詞だけをみたときはまだ歌えるのに、曲に合わせるとなるとさっぱり歌えなくなる。たぶん原曲のキーが僕に対して高いんだと思う。つまりそのままのキーだと歌えないから、脳内で勝手に歌いやすいキーに変換して歌ってるんだろう。
実はこないだ初めてカラオケという施設に行ってみた。この日記を読んでいる人ならわかると思うけど、当然僕に友達はいないので、一人で行ってきた。かっこよく言うなら、ヒトカラ。入会手続きの最中とか本当につらかった。マジ普通に女子高生とかいるんですよ。一人でカラオケに来てる僕を見て彼女らはどう思ったんだろうね。露骨に「きもい」とか「友達いないんじゃないの?」とか言われなかったのはよかった。これは街中で知らない人とすれ違うのと同じことだ、これは街中で知らない人とすれ違うのと同じことだ、と自分に暗示をかけて頑張ったのです。クラスメイトなんかと遭遇した次の日には、僕を嘲笑する話題がまたひとつ増えていたことだろう。
そもそもなぜ僕は一人でカラオケデビューなんかしてしまったんだろう。ことの発端はオドレミンが切れそうになったことにある。
もはやオドレミンは効いているのか効いていないのかさっぱりわからないのだけど、それでも無いと不安というかもう習慣になっちゃってるので、新しく買う必要があったわけだ。ところが家にあるオドレミンはもうあとわずか。ネット通販で送られてくるのを待ってる時間も無ければ、めんどくさくもあった。
そこで僕は店頭に直接買いに行くことにしたのだ。たぶんそのころの僕は自暴自棄だったんだろうね。どうにでもなれと思って、ただがむしゃらにオドレミンを買い求めたんだ。
そしてオドレミンを買って、僕のなかで何かがはじけた。
オドレミンを買った店の近くにカラオケ屋があってね。僕はもう笑いながら涙流しながらカラオケに行ったんだ。
今となっては後悔してない。なんかあの個室は、すごくフリーダムだった。ある晴れた日の午後魔法以上の愉快が〜とか歌ったし、採点機能を使って自分の音痴さを再確認もした。時間にして2時間だけど、すばらしい時間だったね。ただ個室からでて料金を済ませるまでとか、そういったちょっとした時間にすれ違う女子高生やカップルは直視できなかった。なんかすごい自分が惨めになってくるんだぜ。みんな死ねばいいと思ったさ。
そういうわけで僕はもう二度とカラオケには行きたくないと思うんだけど、でもやっぱり行きたいなあとも思うんだよね。カラオケ全部が僕の貸切なら行きたいな。ああ人類ほろんでくれ。