隠れオタクをやめた僕の近況。

オタ系の人が集まりそうなサークルに入って、実際オタばっかりで、にわかオタクの僕はなかなか話についていけません。
所詮僕はハルヒから入ったような人間です。二次元の美少女を強く思う心――そういった素質はしっかりあると思うのですが、いかんせん経験が足りません。なぜだッ! インターネットになら小学生の頃からハマっていたというのに、肝心のオタクなことに関しては消極的だったのです。
インターネット初心者よろしく、当時流行っていたテキストサイトなんかをよく見ていたのですが、そこでエロゲの話題が出たときなんかは普通に引いてました。
エロゲって絵でしょ? そんなものを楽しむなんて……。なんだよカノンって。号泣とか言ってるし。日記は面白いけどこういうこと書くのはちょっとなあ。
そう思う小学生の時分の僕。しかし同時に、ゲームソフト売り場に置かれている美少女の大きなポップに心惹かれる僕もそこにいたのです。
僕には興味のあるものを調べる勇気が足りなかったんだ……! 僕はこうして今、やっとのことで本来の自分のあるべき状態に近づきつつあるのだと思います(でも正常な人間としてあるべき方向から外れてしまった気もします)


さて、それで僕がサークルのまともなオタクたちの会話にまったくついていけない、という話でしたが、普段学校で行動をともにしているメンバーの中にも、オタクの可能性がありそうな人がいたのです。二名ほど。
外見は普通で、普段会話しているときも「人よりちょっとゲームが好きなのかな」といった程度の発言はたまにしても、こいつはオタクのにおいがぷんぷんするぜ、といった具合ではなかったのですが、たま〜ぁにそれっぽいことを話してるんですね。慎重に時機を待ち、沈黙を守ってきた僕でしたが、このあいだ晴れてチャンスが巡って来たので、思い切ってそっちの会話にもっていってみました。
……すると案の定、彼らは一般的に言ってオタクというカテゴリーに属する人間だったのです。
(やはりな、ふふふ。これで僕もやっとまともにオタクな会話ができそうだな)
そう思った僕ですが、なにやら様子がおかしいのです。彼らの言っていることがよくわからない……?


そうです。彼らもレベルでいうところの僕より数段高いところにいる存在であって、やはり僕にはよく理解できないことを話すオタクだったのです。これじゃあサークルのみんなと変わんないぞ……? 相変わらず僕はにわか仕込みのオタ知識を武器に、彼らと難しいオタクの話をしなければならない……?


大学。
なんて恐ろしいところなのでしょう。
このようなわけで、今僕は非常に忙しいのです。今日も今日とて、教養を身に付けるために、僕は夜が更けても趣味に時間を費やすのです。な……なんてこったい……! 最高すぎる……! 趣味のためなら遅刻も辞しません。それが、エフテムなのです!