金縛り初体験

今しがた、うたた寝をしていたら、金縛りにあいました。こんなの初めて! 人生捨てたもんじゃないね!
そう、それは小一時間ほど前の話です。僕がぼーっとラノベを読んでいると、急に未来のことが不安になりました。
もうやだなあ、生きていたくないなあ、死にたいなあ、死にたい、ああ、死にたい、死にたい、死にたい、死にたい。
死にたいゲージが満たされて、代わりに活力ゲージが空っぽになってしまった僕は、ベッドにうつぶせに寝転がると、目を閉じました。
そしてちょっとの夢を見た後、再び目を開けると体が動かないんです。でも、動かないなら別にいいかあ、と思いました。
ふと気がつくと、流しのほうから水を流す音が聞こえていました。
それも特には気にならず、ぐったりとしていると、だんだん水の流れる勢いが落ちてきて、最後にガラガラガラ……と配水管から音をたてて完全に水が止まると、
「リュックなのにこの水臭い」
という幼女の声が聞こえて、僕の体は自由に動くようになったのでした。
体が動くようになってからも、しばらくうつぶせのままでいた僕ですが、時間が経つにつれて気がついたのです。
あ、これ金縛りじゃん! と。