今日のftem

目覚めて時計を見ると、7時過ぎだった。今日は水曜日のようだ。ということは朝1から講義があり、そのために目覚まし時計は7時半にセットしてあるはずだ。
なんということだ、僕はがっかりした。今から二度寝したところで数分しか寝られない。かといって起き上がるのも癪なので、数分の間だらだらと横になっているほかにない。
しかし僕はあることを思い出した。そうだ、今日は休日のはずだ。携帯電話でカレンダーを確認してみると確かにそうだった。もちろんアラームも設定していなかった。アルバイトのシフトにも入ってない。つまり、今日は何も無い、本物の休日なのだ。
僕は眠りについた。
チャイムの音で目を覚ますと、佐川急便であった。大き目のダンボールを手にしていた。まず本が入っているという大きさではない。僕は何を注文したのか思い出せなかった。そしてなぜ佐川急便なのだろうと思った。その大きさは日通のペリカン便で送られてくるのが常ではなかったか? そういえばしばらくペリカン便にお目にかかっていないような気がする。
箱を開けてみると、そこには美少女が鎮座していた。あー……(笑)、思わず笑みがこぼれた。僕は丁寧にそのフィギュアを取り出し、棚の上に並べた。じっくり見るまで気がつかなかったが、それは見事な平面であった。僕は戦慄した。これは造形なんていうレベルじゃない……。3Dなのに2D<<つるぺた>>……。
時計を見てみると、デジタル盤は午後2時を表示していた。僕の脇をつつーっと冷たい汗がつたった。危ないところだった。もう少しでせっかくの休日がふいになってしまうところだった。
僕は見えない恐怖から僕を救ってくれた美少女に愛を感じた。この美少女たちはいつも僕を愛してくれている。そう思うとやさしい気持ちになれた。
身体が脂っぽくて不快だったので、浴室へ行き心地よいシャワーを浴びた。こうして僕の新しい一日が始まるのだ。
髪も乾かし、すっきりとした僕はパソコンの電源を入れた。XPの起動音の代わりに、美少女が僕に声をかけてくれる。デスクトップを彩るのももちろん美少女。僕は心身ともに清々しく、インターネットブラウザを開くのであった。
そうして今現在に至るわけである。