目頭が熱くなるあの瞬間

目薬を買いました。今まで僕が買ってきた目薬というのは、買った時点でもっともクールと謳われるものたちです。そりゃあもうクールなもので、慣れないうちは目薬をさすと目を開けられなくなる有り様でしたが、慣れてしまうと(もしかしたら使用期限とかの問題でクールじゃなくなっているのかもしれないけど)「あー、クールだ」という程度になりました。
つまり僕はクールな目薬をさしても動じないクールな男なのです。
と、結論付けたいのですが、実際は違うように思えるのです。というのも、目薬をさすと明らかに点眼したものよりたくさんの液体が目から零れ落ちてくるんです。おまけに鼻からも。ティッシュ2枚は必要。上手くいって2枚。油断すると後から鼻から出てきて、もう何枚かティシュ使うことになる。
「なあ、これって、涙なんじゃない? クールさに耐えかねて、涙がこぼれちゃってるんじゃない?」この疑問はここ数年の間、ずっと僕を悩ませ続けてきました。どうなのさ? いや明らかにそうだとは思いますけど! じゃあもっとクールじゃない目薬を使うべきじゃないか。


そういうわけで、今回は目に優しい目薬を買ってきました。これでやっと長年の疑問が解ける。どきどきしながら目薬をさしました。びっくりしました。う、あ……れ? 今さした? さしたよね? 目に入んなかった……? って思いました。超目に優しい。さした気がしない。そして涙も出ない。鼻水もでない。ああ、やっぱり今までのあれは、クールすぎた代償だったのか。
なんていうか、クールなほうが、面白い。