超能力に気がついた。

みんな。落ち着いてきいてほしい。実は…、実は僕は超能力者だったようなんだ。以前からおかしいなとは感じていたけど、これが超能力ってやつなんだな。おそろしいパワーを感じるよ。
僕は自分の超能力に「メイクホワイト」と名づけることにした。今までどうにも人とコミュニケーションをとるのが苦手だったり、会話がはずまなかったりするなあと思っていたら、実はこの能力のおかげだったんだ。メイクホワイトはその場の空気を凍らせ、しらけさせ、がっかりさせる超能力だ。たとえば日常生活ではこのように働く。
仲の良いグループAが楽しく会話をしていて、なんでかは知らないけれど、突然僕に話しかけるとき。「ftemだもんなーww」「えっ、ああ、(超能力発揮、なにかすごいことを言う)www(ひきつった笑顔)」「・・・」「・・・」「・・・ああ、そうそう(グループAの会話に戻る)」
僕自身、いったい超能力を発揮しているときどんなことを言ったかまったく覚えていない。しかしそのあとのみんなの「え、どうしよう…」みたいな顔と思わず目をそらしたくなるような空気になることだけは知っている。それは超能力を発揮したあとの話だから。どうやら超能力を使っている最中、僕の意識はどこかへいってしまうようだ。
また、この超能力は体育の時間になると、有効範囲が極端に広がる。グループを作って運動をする場面。そのとき僕のいるグループは極端にさめてる。いままでずっと、うまいぐあいに暗いやつが僕のグループにはあつまるんだなーと思っていたけれど、普段明るいやつも僕のグループにはいると静かになる。やはり超能力だったのだ。


この超能力のほかに、僕はさまざまな特徴をもっている。僕はあとのさまざまな特徴がスタンドによるものではないかと考えている。たとえば最近さらにひどくなってきた手汗も、もっと上達すれば、相手が息を吸い込むのと同時に手汗を顔になすりつけ、少量の水で人を殺せるようになるのかもしれない。僕の得意な頭のにおいや脇のにおいだって、上達さえすれば、においをかいだ相手に幻覚を見せることができるかもしれない。それさえできれば、あとは溶かすだけでみんなおじゃんだ。
こんなことじゃあんまり世間に目立ったようなことをしたらアメリカ警察に狙われかねないな。そういうわけで僕はわざと静かに暮らすことにする。


あー…。なんかもうひきこもりたいなー。