僕とタオルと煮沸消毒

僕ね、風呂に入るときに、手ぬぐいっていうか、そういう小さめのタオルを使うんです。もちろん大きいバスタオルも使うんですけどね。バスタオルは補助的に使っているにすぎません。
それでこの手ぬぐい、もといタオル、3年くらい同じやつをローテーションで回してきました。7枚か8枚くらいあるので、タオルがなくなると風呂にも入れない、じゃあ洗濯しよう、と、僕の洗濯原動力にもなっていたのはまた別の話、実はこのタオル、すっごくクサいんです。
どれくらいクサいかっていうと、「耳の裏っていうか首? なにこの魚くささ……?」「吐き気を催すワキのたまねぎの香り」といった、日常的に悪臭を周囲に振りまいている僕が「クサい」というほどなのです。しかもこれ3年も使ってるから、とかじゃなくて、使い始めて数ヶ月でこうなってた。
でも常に、そう、alwaysクサいというわけではないんですね。洗濯後なんかは無味無臭でして、むしろ洗剤の幽かに漂うフローラルの香りがするくらいのものなんですが、一度、風呂上りに体拭いたりなんかして、ちょっとたつと、そりゃあもうおぞましい匂いを発する繊維物兵器へと変貌を遂げるのです。
勘のいい僕はすぐピーンときましたね。
……細菌の仕業かッ!
すなわち、洗濯後の美しい状態では、細菌もなくなっているので、いやな匂いはしない。しかしいったん僕という醜い体を拭いたりなんかすると、僕の皮膚の表面上に常在する悪しき細菌どもがタオルに付着し、湿ったタオルの中でぬくぬくと繁殖したやつらが強烈な悪臭を放つのだ……と。
当然こんな現象は、ワキの下に変な細菌を常に携帯している僕のような選ばれし人間にしか起こしえないものなのだ、と思い、考えても無駄なので、そのうち僕は考えるのをやめた。


でも今しがた偶然ググって得た情報によると、どうやらこれがうわさの「タオルがクサい」という状況らしいのです。そうなんです、よく聞きません? タオルってにおうのよねー、って。それだったんです、これがどうやらそれだったのです。僕だけじゃなかったんだ!
というわけでさらにちょっとググると、「煮洗いするとイイ」ということがわかりました。ま、マジで……? それはちょっと……めんどくさくね……?
とにもかくにも、煮洗いには酸素系漂白剤が必要らしく、あいにく僕の手元には塩素系のものしかないので、これを機に酸素系漂白剤も手に入れてあわよくば塩素ガス発生でぽっくりといきたいものです。二人の力が今合わさる! ゴー! 漂白剤!