僕と読書と、時々、講義

大学行って、授業中に暇だからって文庫本を開いていると、僕は大学に何しに来てるんだろう、ってふと思う。読書なら家でだってできるじゃないか。いや、そういうことじゃない。大学は、もっと他の事を学ぶべきところであるように思えるのだ。
そうだとも。大学ならではの、大学にしかない価値を求めるべきだ。そうして僕は本にしおりを挟むと、それを鞄にしまった。
授業に耳を傾ける。……ああ。なんてつまらないんだ……。冗長なんだよ……。このままじゃ眠ってしまう。
仕方がないので僕はまた本を開いた。次に授業へ意識を移したとき、すでに話の内容はちっともわからなくなっているのだろうと確信する。でもいいじゃないか。それならばこの本の続きを心置きなく楽しめるというものだ。