過渡期にはこれをテーマにした小説が何篇も書かれるに違いない

宗教って、「生きるのがつらい」というところから始まっているのではないかと思うのです。これを解消するために神とかそういった様々なアイテムが用意されていき、無宗教家でも自然と「死ぬのが怖い」と思うようなパラダイムが出来上がったのではないでしょうか。しかしここに僕のような「死にたい」人間が現れてきたのです。これが21世紀初頭のことですね。
僕の予想では、死にたい人間はこれからますます増えていきます。死にたい人間が社会のマジョリティとなり、政治とかよくわかんないんですけど、自殺を奨励する法案が次々に可決されていったりするはずです。もう地上は惨憺たる有様になるでしょうね。でもそういった時代においては、死ぬことこそが幸せなのです。黎明期には人々は笑って死んでいくことでしょう。
しかしそんな時代もいつかは終焉を迎えます。時間の経過とともに人間は生物本来としての生命力を次第に取り戻してゆき、以前この世界に存在していた「宗教」に変わる、新たな人生方針が人間の前に示されるのです。そうして人間は生を取り戻すのと同時に、また死を恐れるようになるのでした。めでたしめでたし。