ftem物語 -わきがの帰還-

最近暑い日が続いていますよね。たくさん汗をかくので、以前の僕であればニオイのことが気になって気が気でなかったとおもいます。でもいまの僕はわきが手術を受けた身。わきに切れ目を入れて、皮膚と肉を電気メスで焼ききって、憎きアポクリン腺を根絶やしにしてもらった僕に死角はありません。
まあそれはいいんですけど、久しぶりにカラオケにでも行こうかなと思ってヒトカラ行ってきたんですけど、熱唱してるとやっぱり脇汗かくものですけど、でもにおわないんだなこれがと思ってクンカクンカしてみたんですけど、なんか右脇から妙に懐かしいようなにおいがしてきたんですけど、そんなはずはないと思って左脇も嗅いでみたらやっぱり無臭なんですけど、ほらなと思って右脇をまた嗅いでみたらやっぱりにおうんですけど、またまたご冗談をと思ったんですけど確かににおうんですけどこのTシャツ新品なんですけどどうしてもやっぱり臭うんですけど。
いやーちょうど一年間くらいでしたね。夢を見れたのは。かなわないから夢っていうんですよね。かなうんだったらそれは夢ではなくて目標っていいますよ。まー変な小細工したところでDNAレベルで、つまり設計の段階でわきがとして生まれてきたのですから、やっぱり僕は人間ではなくてわきがだったということですね。
これいずれ左脇も再発してくれるんでしょうかね。いやーほんと。これからは生地に気をつけて服を選ばなくていいんだなーって喜んでたんですけどね。すんごい汗かいてもこれただの汗なんで、ちょっと見苦しいだけなんで(笑)って喜んでたんですけどね。なんの負い目もなく人間に(距離的に)近づけるなあって喜んでたんですけどね。苦しみは延々と、喜びはつかの間に。人生ってえげつないですよねー。あ僕人間じゃなかった。
そういうわけでデオナチュレという商品を買って来ました。わきがスレではたびたび見かける名前でしたが、AG+以外の制汗剤に変えてめちゃくちゃにおったらシャレにならんぞと恐れていた以前の僕ではこの商品に乗り換えることはできませんでした。今回は一度リセットされたということで、デオナチュレに変えてみる事にしました。多分AG+ってあの銀の成分が脇の部分を黄ばませるんですよね。黄ばみというか、鉄っぽい色になるんですよね。このデオナチュレの成分は天然アルム石とかいって、ようするにミョウバンなんだそうです。ミョウバンは古代よりわきがを助けてきた実績がありますからね。しばらくはこいつに頼ります。
このまま順調に左脇もにおうようになったら上司に相談して片脇ずつまた手術とかですかね。まあ保険適用で片脇2万ちょいくらいですからね。カスみたいな金額ですよ。なんかすんげえ痛かった気もしますけど、人の悪意の痛みよりはいくらかマシです。僕の人生ってまるで服役してるみたいなもんだなあ。あ僕人間じゃなかった。