希望に満ち溢れてるよ

日記の更新が続いている。更新具合は現実生活の苦しさと暇さに比例します。
最近の僕は暇です。苦しさ、という点では、とにかく手術のことが楽しみです。無事に内定もらって、手術を受けて、ついに僕は人間になれるのです。人間になったら、服を買いたいと思います。人間なら、もう服の素材を気にする必要がありません。ポリエステル? アクリル? どんと来い。人間なら脇汗も気にしなくていいんです。好きな服を着られます。暑い時には薄着をして、夢のTシャツ一枚で外に出たっていいんです。
ああ。人間ってなんて素晴らしいのでしょう。一生届かぬと思っていた人間への道。それが今や僕の目の前に、はっきりと見えるのです。もちろん厳密には決して人間なんかじゃあありません。それでも、たとえ外科手術による外面的なものであっても、今より100倍人間らしくあれるのです。あんなに憧れた人間。あんなに憎んだ人間。あんなに妬んだ人間。僕はついに人間になれるのです。ああ素晴らしい。術後臭なんてクソくらえです。人間誰だって程度の差こそあれ体臭があるんです。どうせわきが臭がなくなって別の体臭が目立つようになったくらいの話でしょう。わきが臭でないのなら、それでいい。わきがと体臭の間には深い深い溝がある。だいたい僕は頭皮だってくさいですし、耳の裏も、首まわりだって臭いです。とくにバイトが終わったころはひどい。それでも、わきがの臭いの方がもっとひどい。あのにおいを嗅ぐだけで、心底死にたくなります。
いやしかし果たして無事に僕は人間になれるのでしょうか。すべては面接の合否にかかっている。よろしくお願いします。決して僕のために、祈るなんてことの無いよう。こころより、お願い申し上げます。僕をとって損することはないですよ。だって入社するころには、非わきが、つまり準人間になっているわけですからね。今まで非人やってきただけ、その反動でよく働き、よく笑い、よく動くことでしょうよ。間違いない。あなたがた企業は僕に内定を出すべきである。